紀元前430〜427年にギリシアのアテネで流行した記録も
残されている2000年以上も前から認識されていた疾患です。

インフルエンザウイルスは変異能力が高く、大流行の前には
新種のウイルスの出現がみられます。

自然界におけるインフルエンザウイルスの保有宿主は鳥類ですが、
トリ型ウイルスがヒトに直接感染することはまれです。

1997年に香港で確認されたトリ型ウイルスH5N1では、
18例の感染が 報告されましたが、これは、直接、人間に感染した珍しい例といえます。

 

症状の発現

インフルエンザウイルスは気道粘膜で急速に複製され、潜伏期間は2〜3日とされます。
症状発現は、ウイルスの放出の1〜2日前後から認められ
症状の重症度はウイルス放出のピークと一致します。

 

臨床診断

いわゆるインフルエンザ様症状を基礎に診断がなされます。

 

インフルエンザ様症状とは

1. 発熱38℃以上、ときに40℃にまで上昇。
2. 咳嗽、頭痛、筋肉痛、関節痛、咽頭痛のうち2つ以上、症状出現が認められる。

 

インフルエンザによる合併症

急性副鼻腔炎、急性中耳炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患の他に、
心血管系疾患、神経障害、血液疾患、消化器疾患などがみられます。
特に高齢者で重篤な症状が現れることが多く、死亡に至るリスクが高くなります。

 

治療方法

インフルエンザは古くから存在する疾患でさまざまな合併症を引き起こす重篤な疾患です。
特に高齢者や呼吸器疾患、心血管系疾患などを併発しているハイリスク患者では
重大な転帰を取ることも少なくありません。
しかし、現在においても、治療薬の選択肢は限られています。

 

治療の実際

インフルエンザを予防するためには、ワクチンの接種が効果的です。

 

院長より患者さんに対してのアドバイス

・インフルエンザは、いわゆる「風邪」ではなく、弱者にとって非常に危険な感染症です。

・インフルエンザワクチンの有効率は約70%で、
  ワクチンを受けたからといってインフルエンザにかからない、
 という訳ではありませんが、重症化することは防げます。

・インフルエンザワクチンは非常に安全なワクチンで、副反応もわずかです。外国の報告で、
 45万人中、死亡例は皆無とのことでした。また、繰り返し接種してもアレルギー反応は認められません。

・インフルエンザワクチンの対象者は、65才以上の高齢者、5才以下の小児、が好ましい、と考えられます。

・ 以前は、インフルエンザを正確に診断することはできませんでしたが、99年よりインフルエンザを、
 A型もB型も、30分程度の時間で正確に診断できるキットが製造されています。

・インフルエンザ死亡:98年の1〜2月で1154人が亡くなられました。
 そのうち65才以上のお年寄りが9割近くを占めています。
 また、98年1〜3月にインフルエンザが原因と思われる脳炎・脳症にかかった人は217例でした。
 そのうち、58人が死亡され、後遺症の残った人も56人に認められました。
 年齢別では、5才以下の子供が8割を占めています 。

 

最近になって、認可されたインフルエンザ治療薬

シンメトレル錠(A型インフルエンザ治療薬)

ウイルス表面に存在するノイラミニダーゼを阻害し
ウイルスの増殖を抑制します。発症後48時間以内に服薬すると
内服後1日前後で、解熱、症状の軽減がみられます。

しかしウイルスの増殖を抑えるだけであり、
熱が下がっても、 早期の復学、 職場復帰は
周囲の人間に対する感染性の点から 問題があります。

ウイルスを殺すのは、最終的に生体の反応(免疫)ですが、
これには数日以上かかると考えられます。


 

回数が多いので接種もれに注意しましょう。 確実な免疫をつくるには、
決められたとおりに受けることが大切ですが、 万一間隔があいてしまった場合でも、
はじめからやりなおすことはせず、 規定の回数を越えないように接種します。
かかりつけ医の先生に相談 しましょう。

 

接種もれが発生した場合は?

1期3回のうち2回目と3回目の間隔が6ヶ月以上 離れた場合、

  3回目を行わずに1期追加を行ってかまいません。
  6ヶ月以内でしたら3回目を接種して1年後に追加接種をお勧めします。

 

・1期の3回のうち2回だけで抗体の上がりはどうか?   

 追加接種をきちんとすれば問題なしのデータがあります。   

・では何故1期を2回だけにしないのか?    

 全員が2回で抗体が十分上がるとはいいきれない   

 1期3回と指示しているのもかかわらず、うっかり忘れてしまう親御さんがあり
  現実にはこなしきれていない訳であり、1期2回でもよろしいですよ、と言ったら
  もっとだらしない接種になることが危惧されているということです。

  

予防接種はめんどくさい?

このおかげで 、日本の子ども達は世界一病気では死なない国になっています。   

子供たちに、しっかりと病気に対する免疫がつくように
母子手帳を見てスケジュール通り
終わっているかどうかを 今一度確認しましょう。

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